ドバイデザインウィークに三菱地所設計の3Dプリント茶室が登場し、現地で話題になった。「The Warp」と名付けられた茶室は900枚の個別パネルで構成され、木材廃棄物から作られたリサイクル資材を元に3Dプリンターで製造されたもの。日本の伝統的な木工技術の組み木をベースに作られて、釘などを一切使用していないという。「The Warp」は、三菱地所設計が構築した、木質3Dプリントを用いた生産システム『Regenerative Wood』の3つ目のプロトタイプとなる。
また、「The Warp」は解体・再組み立てが簡単にでき、運搬や再設置なども容易にできるとしている。一般的な茶室の「にじり口」をイメージしてデザインされた設計は、来訪者に日本の伝統や文化を体験してもらう場としても機能できるとしている。
展示では「日本の古き伝統から、革新の絶えない未来都市ドバイへと誘うタイムトラベル体験」をコンセプトとし、32㎡の小さな展示スペースに茶室と日本庭園が設置された。来場者は庭を通りにじり口から茶室に入ると、有機的にねじれた曲線が広がる木質の空間に包まれる仕組みだ。
出展期間中は本茶室を設計したアーキテクトが現地に滞在するとともに、茶人による茶会や3Dプリントに関するワークショップなどが開催された。