3Dプリンター NEWS

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2025年1月23日 ドバイデザインウィークに三菱地所設計の3Dプリント茶室が登場
ドバイデザインウィークに三菱地所設計の3Dプリント茶室が登場し、現地で話題になった。「The Warp」と名付けられた茶室は900枚の個別パネルで構成され、木材廃棄物から作られたリサイクル資材を元に3Dプリンターで製造されたもの。日本の伝統的な木工技術の組み木をベースに作られて、釘などを一切使用していないという。「The Warp」は、三菱地所設計が構築した、木質3Dプリントを用いた生産システム『Regenerative Wood』の3つ目のプロトタイプとなる。 また、「The Warp」は解体・再組み立てが簡単にでき、運搬や再設置なども容易にできるとしている。一般的な茶室の「にじり口」をイメージしてデザインされた設計は、来訪者に日本の伝統や文化を体験してもらう場としても機能できるとしている。 展示では「日本の古き伝統から、革新の絶えない未来都市ドバイへと誘うタイムトラベル体験」をコンセプトとし、32㎡の小さな展示スペースに茶室と日本庭園が設置された。来場者は庭を通りにじり口から茶室に入ると、有機的にねじれた曲線が広がる木質の空間に包まれる仕組みだ。 出展期間中は本茶室を設計したアーキテクトが現地に滞在するとともに、茶人による茶会や3Dプリントに関するワークショップなどが開催された。
2025年1月22日 ダイヤモンドエージが事業清算、オンラインオークションを実施
米アリゾナ州に拠点を置く建設3Dプリンティング企業のダイヤモンドエージ(Diamond Age)が事業を清算し、オンラインオークションを実施する。ダイヤモンドエージは、アメリカの新興建設3Dプリンティング企業として建設業関係者の注目を集めてきたが、志半ばで事業を停止することとなった。同社はこれまでに二回の資金調達ラウンドで総額5800万ドル(約89億9000万円)の資金を集めていた。 ダイヤモンドエージのオンラインオークションは、事業資産売却を代行するシリコンバレー・ディポジションを通じて行われる。オークション期間は2025年1月28日から30日までの三日間で、ダイヤモンドエージが所有するオフィス家具から建設機械までが幅広く売りに出される。建設機械の中には、建設用大型3Dプリンターも含まれている。 ダイヤモンドエージは2018年設立。アメリカの都市部を中心に深刻化するファミリー層向け低価格住宅の供給を事業目的に、主にRaaS(Robot as a Service)ベースの建設3Dプリンターで住宅を建設・供給してきた。 ダイヤモンドエージには、これまでにベンチャーキャピタルのアルパカ・ベンチャーキャピタル、ドルビーファミリー・ベンチャーズ、カーム・ベンチャーズ、GFAベンチャーパートナーズ、タワービュー・ベンチャーズなどが出資している。
2025年1月21日 ニコンSLMソルーションズがロングビーチにテクノロジーセンターを開設
日本の大手光学機器メーカーのニコン傘下のハイエンドメタル3DプリンターメーカーのニコンSLMソルーションズが、米カリフォルニア州ロングビーチにテクノロジーセンターを開設した。 ニコン先端マニュファクチャリング・テクノロジーセンターと名付けられた施設は9万平方フィート(約8361.3平方メートル)の大きさで、ニコンSLMソルーションズに加えて、ニコン、ニコンアディティブ・マニュファクチャリング・シナジーなども入居する。同施設では特に航空宇宙や防衛などの産業セクターのユーザーを想定した最先端アディティブ・マニュファクチャリング技術の研究開発などが行われる。施設のオープニングセレモニーには、レックス・リチャードソン・ロングビーチ市長などが出席した。 ニコンは2023年1月にSLMソルーションズを総額6億2200万ユーロ(約870億8000万円)で買収し、完全子会社化した。同社は現在、ニコンSLMソルーションズのブランドで事業を展開している。 ニコンは、2021年に4月にアメリカのメタル3Dプリンターメーカーのモーフ3Dも買収している。モーフ3Dは現在ニコンアディティブ・マニュファクチャリング・シナジーのブランドで事業を展開している。
2025年1月20日 マイティ・ビルディングズが身売りを検討か
米カリフォルニア州オークランドに拠点を置く3Dプリント住宅メーカーのマイティ・ビルディングズが身売りを検討していると、アメリカ現地メディアが報じている。報道によると、マイティ・ビルディングズはニュージャージー州を拠点にする金融サービス会社のロック・クリーク・アドバイザーと共同で、自社業務の営業譲渡などによる売却を検討しているという。マイティ・ビルディングズのチーフ・ピープルズ&リーガルビジネスオペレーション・マネージャーのジェニファー・ファーレー氏は自らのLinkedInのポストに「(マイティ・ビルディングズを購入することは)戦略的な投資家の皆さんにとって、サステナブルでレジリエントな住宅づくりをするという革命的な事業を継続するという、驚くべき機会を提供することになるでしょう。才能あふれるプロフェッショナル、サプライチェーン、エンジニアリング、マテリアルサイエンス、ファイナンスからHRまで、優秀な人材をまとめて確保できます」とコメントし、マイティ・ビルディングズが売却中であることを認めている。 ロック・クリーク・アドバイザーも別のLinkedInポストで、マイティ・ビルディングズが売却中であり、オファーの期限を2025年2月14日に設定しているとコメントしている。 マイティ・ビルディングズは、独自開発したロボットアーム型建設3Dプリンターを使い、プレハブ住宅をカリフォルニア州オークランド工場で製造している。マイティ・ビルディングズへは日本のベンチャーキャピタルのAbies Ventures株式会社も出資している。
2025年1月19日 RobozeがSolizeと日本での販売代理店契約を締結
イタリアの3DプリンターメーカーのRobozeが、日本の3DエンジニアリングサービスプロバイダーのSolizeと、日本での販売代理店契約を締結した。報道によるとSolizeはRobozeのフラッグシップモデル「ARGO500ハイパースピード」の日本での独占販売権を取得し、同製品の販売とサポートなどを行う。Solizeは、「ARGO500ハイパースピード」の同社のトヨタ工場内施設への導入も行うとしている。 「ARGO500ハイパースピード」シリーズは、高強度スーパーポリマーを素材に造形するハイエンド3Dプリンター。PEEK、カーボンPEEK、PEKKなどの素材が活用できるため、メタル3Dプリンターが使われている現場でのリプレースメント需要が期待されている。Solize(ソライズ)は、1990年に山田眞次郎により株式会社インクスとして設立された3Dエンジニアリングサービスプロバイダー。設立当初よりスリーディーシステムズのSLA3Dプリンターを活用した試作品製造サービスを提供するなど、日本の3Dプリンティングサービスビューローとしての歴史を誇っている。 Solizeの現在の事業内容としては3DCADエンジニアリングサービスに加えて、CAEエンジニアリングサービス、MBDエンジニアリングサービスなども提供している。 Solizeの直近の売上高は178億2700万円(2022年12月末期)、経常利益7億1100万円となっている。Solizeは東商スタンダート市場に上場している。
2025年1月18日 ミッシェル・シドウェル氏がVelo3Dのチーフ・レベニュー・オフィサーに就任
ミッシェル・シドウェル氏が、アメリカの大型3Dプリンターメーカーので経営再建途上にあるVelo3Dのチーフ・レベニュー・オフィサーに就任する。シドウェル氏はチーフ・レベニュー・オフィサーとしてVelo3Dのセールス・ビジネスディベロップメントチームを率い、同社のグローバルビジネス拡大のタスクを負う。Velo3Dのアルン・ジェルディCEOは、「ミッシェルがVelo3Dに合流してくれることにエキサイトしています。彼女の豊富なマーケティングの知識は、Velo3Dの「ゴートゥー・マーケット戦略」を実現するために極めて有効に働くでしょう。新製品の市場への投入、セールスプロセスの合理化、売上の拡大、顧客サポートなど、ビジネスにとってもっとも重要な機能をもたらしてくれることを期待しています」とコメントしている。 ジェルディ氏は前職でオンライン営業プラットフォーム開発のSalesloftでグローバルエンタープライズビジネス担当副社長を務め、同社の売上拡大に貢献した。SalesloftではAIベースのワークフロープラットフォームを活用し、同社の売上高を6000万ドル(約90億円)から3億ドル(約450億ドル)規模へと拡大させた。 ジェルディはSalesloftでのキャリア構築の前に、画像処理ソフト開発大手のAdobeでセールス担当マネージャーの職務を担当した。
2025年1月17日 ステファニー・ヴァーストレイト氏がXometryのチーフ・マーケティング・オフィサーに就任
ステファニー・ヴァーストレイト氏が、産業用マーケットプレース運営のXometryのチーフ・マーケティング・オフィサーに就任する。ヴァーストレイト氏はチーフ・マーケティング・オフィサーとしてXometry全体のマーケティング活動を指揮するほか、ユーザーとのコミュニケーションやカスタマーエクスペリエンスなどにもコミットしてXometryのブランド向上のタスクを負う。 ヴァーストレイト氏は前職で遠隔医療プラットフォーム開発のテラドック・ヘルスのチーフ・マーケティング・オフィサー兼エンゲージメントオフィサーを務めていた。ヴァーストレイト氏は同社のマーケティングとコミュニケーションズの職務を担当し、同社を世界最大規模の遠隔医療プラットフォーマー企業に育て上げた。ヴァーストレイト氏はテラドック・ヘルスの前職で、マッチングサイト大手のマッチ・ドットコム、旅行サイト大手のエクスペディア、大手飲料・食品メーカーのペプシコなどでマーケティングのキャリアを構築してきた。 同氏はイギリスのクイーンズ大学で経済学の学士号を、ヨーク大学ビジネススクールでインターナショナルMBA(経営学修士号)を、それぞれ取得している。
2025年1月16日 ファイアーホーク・エアロスペースが6000万ドルの資金調達に成功
テキサス州に拠点を置くロケット用サーモプラスチック燃料製造のファイアーホーク・エアロスペース(Firehawk Aerospace)が、6000万ドル(約93億円)の資金調達に成功した。出資したのはベンチャーキャピタルの1789キャピタルを筆頭とする投資シンジケート。バリュエーションなどの投資の詳細については明らかにされていない。1789キャピタルは、次期米大統領ドナルド・トランプ氏がパートナーを務める会社として知られている。 ファイアーホーク・エアロスペースは、3Dプリンターでロケット用サーモプラスチック系固形燃料を製造している。サーモプラスチック系固定燃料は、液体燃料などに比べて造形が簡単で安全性に優れ、高いパフォーマンスを発揮できるとされている。 ファイアーホーク・エアロスペースの共同創業者でCEOのウィル・エドワーズ氏は、「ファイアーホーク・エアロスペースは、ロケット業界における3Dプリントロケット用燃料のスタンダードを作ってゆきます。それが我々が目指している唯一のゴールです」とコメントしている。ファイアーホーク・エアロスペースは2020年設立。これまでに5回の資金調達で合計8830万ドル(約136億8650万円)の資金を集めている。同社へは防衛大手レイセオンなども出資している。