3Dプリンター NEWS

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2025年7月29日 システミック・バイオが事業を停止
アメリカの大手3Dプリンターメーカーのスリーディーシステムズの子会社の3Dバイオプリンティング企業のシステミック・バイオが事業を停止する。同社の創業者でCEOのタシ・ペレイラ氏が自身のブログへの投稿で明らかにした。 システミック・バイオは2021年にスリーディーシステムズが買収した3Dバイオプリンティング企業のアレヴィ社をベースに、スリーディーシステムズが1500万ドル(約21億7500万円)を投じて設立された。3Dバイオプリント技術によりヒト細胞から血管付き臓器モデルを作製することなどを目指していた。同社が開発した臓器モデルは、ヒトの免疫反応を正確にシミュレートできることが証明されていた。タシ・ペレイラ氏はスリーディーシステムズがアレヴィ社を買収した当時、アレヴィ社の最高科学責任者を務めていた。スリーディーシステムズによる買収後、システミック・バイオ社のバイオプリンティング担当副社長兼ゼネラルマネージャーを務め、同社の研究開発をリードしてきた。 スリーディーシステムズはシステミック・バイオ社のサービスを医療機関や製薬企業などへ広め、2027年までに年間一億ドル(約145億円)超の売上を獲得する計画だった。
2025年7月28日 ファイアーストーム・ラブズがシリーズA投資で4700万ドルの資金調達に成功
アメリカの新興UAS(無人航空機)メーカーのファイアーストーム・ラブズ(Firestorm Labs)が、シリーズA投資で4700万ドル(約68億1500万円)の資金調達に成功した。 出資したのはロッキードマーティン・ベンチャーズ、ディサイシブ・ポイント、ワシントン・ハーバー・パートナーズ、ブーズ・アレン・ベンチャーズなどのベンチャーキャピタルを中心とする投資シンジケート。バリュエーションなどの投資の詳細については明らかにされていない。ファイアーストーム・ラブズは、調達した資金をエンジニアなどの人材採用や、アディティブ・マニュファクチャリング設備などへ投じるとしている。 ファイアーストーム・ラブズのダン・マギーCEOは、「ファイアーストーム・ラブズにクリティカルで、戦場ですぐに活用できるソルーションをより速くよりスケーラブルに提供することを可能にする今回のマイルストーンを歓迎します。我々のユニークなオンサイト3Dプリンティングテクノロジーは兵器の製造リードタイムとコストを削減し、速やかな補給が求められる戦場にフォーカスしたソルーションをさらに高めることになるでしょう」とコメントしている。 ファイアーストーム・ラブズは2022年設立のUASメーカー。カリフォルニア州サンディエゴに拠点を置き、3Dプリンターなどを活用してオープンシステムのUASを製造している。
2025年7月27日 ビッグレップがフィリップス・フェデラルと戦略パートナーシップ契約を締結
ドイツの大型3Dプリンターメーカーのビッグレップが、アメリカの工作機械商社のフィリップス・フェデラルと戦略パートナーシップ契約を締結した。両者の発表によると、フィリップス・フェデラルはビッグレップのフラッグシップモデル「ビッグレップ・ワン」を含む3Dプリンターと、消耗品などのサプライを自社販売チャネルにおいて販売する。 ビッグレップ・アメリカのジェフ・オルソン社長は、「フィリップス・フェデラルとのパートナーシップ契約締結にエキサイトしています。彼らの米連邦政府とのパイプは、我々のラージフォーマット3Dプリンターをアメリカの防衛セクターへ販売するための強力なコネクションを提供してくれるでしょう。彼らが求めるアディティブ・マニュファクチャリングソルーションのニーズを満たして行けると確信しています」とコメントしている。 ビッグレップは2014年設立の、ドイツ・ベルリンに拠点を置く3Dプリンターメーカー。設立当初より造形サイズ1立法メートルの大型3Dプリンターを製造・提供し、工業ユーザーを中心に利用を広げている。ビッグレップは、アメリカの新興レーシングチームのレガシーモータークラブにも3Dプリンターを供給している。
2025年7月26日 リブワークが「耐震3Dプリント住宅 Lib Earth House modelB」の販売開始
熊本県に拠点を置く住宅メーカーのリブワークが、「耐震3Dプリント住宅 Lib Earth House modelB」の販売を開始する。同社の地元熊本県山鹿市で公開された「model B」は延床面積100平方メートルの平屋建て住宅で、建築基準法に適合しており、震度7の地震にも耐えられるとしている。 「model B」の建設には、オーヴ・アラップ・アンド・パートナーズ・ジャパン・リミテッド合同会社などがパートナーとして参加している。「model B」の販売価格は2000万円から。当初の工期は数か月程度を見込んでいるが、将来的には一カ月半程度にまで短縮するとしている。 リブワークは、今後2階建ての3Dプリント住宅の開発を進めるほか、アジア諸国を含む海外展開や、3Dプリント住宅フランチャイズ展開なども視野に入れるとしている。 リブワークは、1974年設立の熊本県山鹿市に本社を置く住宅メーカー。熊本県、福岡県、大分県などの北部九州を地盤とし、「暮らしを変える、世界を変える、未来をつくる」のスローガンのもと、「サステナブル&テクノロジーで住まいにイノベーションを起こす」というミッションの実現に向けて事業活動を行っている。
2025年7月25日 ネブラスカ州で「フェイクミート」の販売などを禁じる法律の施行記念式実施
ネブラスカ州で代替肉や培養肉などの「フェイクミート」の販売などを禁じる法律の施行記念式が実施された。ネブラスカ州オニールで開催された式典にはネブラスカ州のジム・ピレン州知事が出席し、大勢の群衆の前で法案に署名するセレモニーを披露した。 LB246と名付けられた新法は、ネブラスカ州内における「フェイクミート」の製造、流通、販売を禁じている。 ピレン知事は、「この法律は、我々のフードシステムから実験施設で開発されたバイオリアクターを排除するためのものです。これにより「ネブラスカ・ナイス」の価値観をとり戻し、我々の伝統的な価値観に立ち戻って再スタートを切りましょう」とコメントしている。今回の法律の成立により、ネブラスカ州は、フロリダ州、アイオワ州、コロラド州などに続くフェイクミートの販売などを禁止するアメリカ六番目の州となった。 ネブラスカ州はテキサス州に続く、アメリカで二番目に牛肉の生産が盛んな州として知られている。州内の牛肉の市場規模は316億ドル(約4兆5820億円)に達し、州経済を支える重要な産業のひとつとなっている。同法は、フェイクミートの販売により通常の牛肉の販売への影響を危惧する畜産農家団体などの強い後押しとともに成立した。
2025年7月24日 シンガポールでリサイクル3Dプリント「マーライオン」が販売開始
シンガポールでリサイクル3Dプリント「マーライオン」が販売開始され、好調な売れ行きを見せている。3Dプリント「マーライオン」を製造しているのはシンガポールのデザインブランドのUniplay。使用済みのPET飲料ボトル約30本を原料に、シンガポールの60周年の建国記念日にオンラインで販売したところ、瞬く間に売り切れたという。Uniplayでは現在、追加分を3Dプリンターで製造している。 オリジナルのマーライオンは、シンガポールのマーライオン公園に1964年にシンガポール観光局が設置した。マリナベイに面するマーライオン公園における代表的な観光スポットで、シンガポールを象徴するアイコンのひとつとなっている。 マーライオン(Merlion)は、人魚(Mermaid)とライオン(Lion)を合わせて作った造語。上半身がライオン、下半身が魚という構成の想像上の存在とされている。 Uniplayの3Dプリント「マーライオン」は高さ18センチメートルの大きさで、販売価格は約118米ドル(約1万7110円)。シンガポールは、今年2025年8月9日にマレーシアから独立して60年を数える60回目の建国記念日を迎える。
2025年7月23日 ポリメーカーがナイロンフィラメント「PA912-ESD」シリーズの販売開始
上海に拠点を置くフィラメントメーカーのポリメーカーが、ナイロンフィラメント「PA912-ESD」シリーズの販売を開始した。「PA912-ESD」シリーズはナイロン612をベースにカーボンナノチューブ、カーボンファイバーを混ぜ合わせた合成フィラメント。主にエレクトロニクス製品用部品や、ハウジング、ジグなどの製造を想定して開発された。 「PA912-ESD」シリーズの使用にはヒートベッドが必用。ポリメーカーでは、ヒートベッドを40度から50度程度に設定して使用するよう促している。また、「PA912-ESD」シリーズ造詣時のサポート材として、PA12の使用も推奨している。 「PA912-ESD」シリーズは1.75㎜系の、500グラムまたは3キログラムのスプールで提供される。 ポリメーカーは米シラキュース大学院の研究生だった中国人留学生シャオファン・ルオ氏ら三人が立ち上げたベンチャー企業。主にFDM方式の3Dプリンター用の高機能、高品質フィラメントの開発・製造を行っている。ポリメーカーのフィラメントは、かつて日本の3Dプリンターメーカーのニンジャボットが自社3Dプリンター用推奨フィラメントとして販売していた。
2025年7月22日 ケンタッキー州のコミュニティカレッジの教授が防水害3Dプリント住宅を建設
ケンタッキー州のコミュニティカレッジの教授が防水害3Dプリント住宅を建設したとして話題になっている。ケンタッキー州のサマーセットコミュニティカレッジの建設エンジニアリング学部教授のエリック・ウッドリッジ教授が建設したのは平屋建ての混合コンクリート製3Dプリント住宅。建設3DプリンターメーカーのRICテクノロジーなどと共同で開発した3Dプリント住宅は、洪水などの水害にも耐えられる構造になっているとしている。 ウッドリッジ教授は、「コンクリート3Dプリンティングは、洪水などの水害に対応するための新たなエンジニアリングのコンセプトを実現してくれます。洪水に耐えられるデザインは、3Dプリンティングテクノロジーの存在なくしては現実のものとならなかったでしょう。従来の木造住宅やコンクリートブロック製の住宅では不可能であったことを成し遂げてくれています」とコメントしている。 ケンタッキー州では、2022年7月から8月にかけて発生した大雨により、大規模な水害の被害を受けている。一週間に渡って降り続いた雨は各地で洪水などを引き起こし、多くの住宅が流され、45名の人が亡くなっている。ケンタッキー州全体での被害額は最大で9億5000万ドル(約1377億円)と推定されている。