3Dプリンター NEWS

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2025年3月28日 デラウェア裁判所がナノ・ディメンションにデスクトップメタルとの合併を完了するよう通知
米デラウェア州のデラウェア裁判所が、イスラエルのエレクトロニクス3DプリンターメーカーでNASDAQ上場のナノ・ディメンションに、アメリカの3Dプリンターメーカーのデスクトップメタルとの合併を完了するよう通知した。デスクトップメタルがデラウェア裁判所に対して訴えていたナノ・ディメンションによるデスクトップメタルの買収契約の速やかな履行を求めるもので、今年2025年3月31日までに完了するよう求められている。ナノ・ディメンションは、今日までに解任された当時のヨアヴ・スターンCEOとデスクトップメタルのリック・フュロップCEOとの間で締結されたもので、ナノ・ディメンションがデスクトップメタルの株主に対して、総額で5億ドル(約750億円)の現金を支払うことでデスクトップメタルを子会社化するという内容だった。 ナノ・ディメンションのスターンCEOは、昨年2024年11月に同社CEOを解任され、後任のジュリエン・レダーマン氏が業務を引き継いでいた。レダーマン氏率いるナノ・ディメンションの取締役会は、デスクトップメタルとの合併に慎重な立場を示していた。 デスクトップメタルは、裁判所が同社の訴えを完全に認めたとしており、裁判所の決定通知書の全文を同社のウェブサイトのインベスターズリレーションズのページで公開している。
2025年3月27日 クイーンズ大学の研究チームがフェイクミートの多くが塩分と糖分が過多と発表
クイーンズ大学ベルファスト校の研究チームがフェイクミートの多くが塩分と糖分が過多と発表して話題になっている。 同校の研究チームは、アイルランドのスーパーマーケットで販売されている植物由来代替肉などのフェイクミートを分析したところ、分析対象となったフェイクミートの90%がNOVA食品分類における「超加工食品」に分類され、通常の牛肉や豚肉などよりも塩分と糖分の含有量が多かったという。研究チームのメンバーの1人は、「(分析対象となったフェイクミートは)炭水化物、塩分、糖分のいずれにおいても通常の肉よりも含有量が多く、食品添加物の使用量も多いことがわかりました。フェイクミートの食感や味付けに多くの食品添加物が使用されています」 一方で、多くのフェイクミートは通常の肉よりも脂質が少ないとの結果も報告されている。 クィーンズ大学ベルファスト(The Queen’s University Belfast)は、北アイルランドのベルファストにある1810年設立の公立大学。イギリスでは九番目に古い大学で、アイルランド大統領やノーベル賞受賞者を輩出している。3学部、15スクールにおいて生物学、電子工学、航空工学、建築学などの高等教育を行っている。
2025年3月26日 GEエアロスペースがアメリカ国内の生産設備に10億ドルを投資
GEエアロスペースが、アメリカ国内の生産設備に10億ドル(約1500億円)を投資する。GEエアロスペースの発表によると、投資はアメリカ国内の製造能力の増強とアディティブ・マニュファクチャリング技術を含む最先端技術の構築へ向けられ、同時に5000人の新規雇用を生むとしている。製造能力の増強についても、投資は特に同社の主力航空機用エンジンCFM LEAPエンジンの開発に向けられ、同エンジンの開発を担当しているシンシナティ工場やミシガン工場などへ特に集中的に投資が行われるとしている。 GEエアロスペースのローレンス・カルプ・ジュニア会長兼CEOは、「マニュファクチャリングとイノベーションへの投資は、我々の業界の未来にとって極めて重要です。今回の投資により製造設備をより近代化して拡充することは、未来の航空業界を定義する上で重要なファクターになります。航空宇宙業界におけるアメリカのリーダーのポジションをさらに確たるものにしてゆくでしょう」とコメントしている。 GEエアロスペースは、ゼネラル・エレクトリックの航空機エンジン事業を中核とした、世界的な航空宇宙推進、サービス、およびシステム会社。ジェットおよびターボプロップエンジンのほか、民間航空機、軍用航空機、ビジネス航空機、および一般航空航空機向けの統合システムを提供している。
2025年3月25日 ボッシュがニュルンベルク工場にメタル・アディティブ・マニュファクチャリング施設を増設
ドイツの大手自動車部品メーカーのボッシュ(Robert Bosch)が、ドイツ・ニュルンベルク工場にメタル・アディティブ・マニュファクチャリング施設を増設する。600万ユーロ(約9億9000万円)を投じて増設される施設にはニコンSLMソルーションズのNXG XII600メタル3Dプリンターが設置され、自動車用エンドパーツの製造が行われる。ボッシュによると、新施設では最大で年間1万キログラム相当のエンドパーツの製造が可能であるとしている。ボッシュのテクニカル・プラントマネージャーのヨルグ・ランツ氏は、「ボッシュのようにアディティブ・マニュファクチャリング技術に大胆に投資できる会社は多くありません。(メタル・アディティブ・マニュファクチャリング施設の増設によって)他社より数歩先に進み、自動車業界の標準となるようなメタル3Dプリンティングを実現してゆきます」とコメントしている。 新施設では、主に自動車メーカー向けエンドパーツの製造が行われるが、自動車以外にもエネルギーや航空宇宙関連のユーザー向けの仕事も予定しているという。 ボッシュはドイツのゲルリンゲンに拠点を置く自動車部品メーカー。1886年にロバート・ボッシュが設立し、自動車部品を中心に各種のモビリティデバイス、家電、電動工具、建設用機材などを幅広く製造している。
2025年3月24日 レガシーモータークラブがビッグレップの大型3Dプリンターを導入
アメリカのNASCARレーシングチームのレガシーモータークラブ(Legacy Motor Club)が、ドイツの3Dプリンターメーカーのビッグレップの大型3Dプリンターを導入して話題になっている。 アメリカ現地メディアの報道によると、レガシーモータークラブはビッグレップの「ビッグレップスタジオ」を使い、レーシングカー用のロケットエクステンションスカートと呼ばれるパーツを製造している。ロケットエクステンションスカートは、昨年2024年秋に発表されたNASCAR2025年度レギュレーションの規程に準拠したパーツとされている。レガシーモータークラブのエアロダイナミクス担当ディレクターのスティーブン・サンダー氏は、「3Dプリンターで製造したパーツのパフォーマンスにとても満足しています。3Dプリンターを活用することでこれまで以上の数のパーツの製造が可能になりました。今はギアクーリングを製造しています。アリゾナ州フェニックスでの試合には十分間に合うでしょう」とコメントしている。 レガシーモータークラブは2021年設立のアメリカのNASCARカーレーシングチーム。NASCARカップシリーズに112回参加し、同レースにおけるレギュラーメンバーのポジションを確立している。 NASCARはフロリダ州デイトナビーチに拠点を置くアメリカ最大のモータースポーツ団体。1948年にビル・フランスとエド・オットーによって設立された。
2025年3月23日 スカルプティオが食品安全素材「PA12ブルー」の提供を開始
フランスの3Dプリンティングサービスビューローでドイツの大手化学メーカーBASFの子会社のスカルプティオが、食品安全素材「PA12ブルー」の提供を開始する。「PA12ブルー」は食品製造に使われる製造機器の消耗部品や食品コンテナなどでの利用を想定した素材で、ナイロンを主原料としている。スカルプティオでは「PA12ブルー」のSLS3Dプリンターでの利用を予定している。「PA12ブルー」は、欧州連合の食品安全ディレクティブと、アメリカの食品医薬品局(FDA)のガイドラインの、いずれにも準拠するとしている。 スカルプティオでは、「PA12ブルー」の提供開始により、近年拡大している食品製造業界によるオンデマンドマニュファクチャリングや、ラピッドプロトタイピングなどの需要に対応できるとしている。 スカルプティオはフランスのパリとアメリカのサンフランシスコに拠点を置く3Dプリンティング・サービスビューロー。主にヨーロッパとアメリカにおいて、各種の3Dプリンティング・サービスを提供している。 スカルプティオは2019年11月にドイツの大手化学メーカーのBASFによって買収され、現在は同社子会社として事業を展開している。
2025年3月22日 セレンディクス、JR西日本などが世界初の「3Dプリント駅舎」を建設
日本発の本格的3Dプリント住宅メーカーのセレンディクスがJR西日本、JR西日本イノベーションズと共同で世界初の「3Dプリント駅舎」を建設する。和歌山県有田市の初島駅に建設が予定されている「3Dプリント駅舎」は高さ2.6メートル、幅6.3メートルの10平方メートルの大きさで、建設3Dプリンターで出力した主要パーツを組み合わせて作られるとしている。「3Dプリント駅舎」の壁面には地元の名産のみかんや太刀魚をイメージしたデザインが施され、地元イメージと密着した作りとなっているという。 セレンディクスによると、3Dプリンターで作られる駅舎は世界初で、従来の建設方法よりも大幅に工期の削減効果が期待されているという。建設3Dプリンターで主要パーツが作られると現地へ移送され、クレーンで組み立てられるが、組立にはわずか6時間しかかからないとしている。鉄道の終電から始発までの間に組立工事が完了できることから、鉄道の運行への影響を最小限に抑えられるという。 JR西日本は、今後も建設3Dプリンターの技術的検証を進め、他の駅への展開などを検討してゆくとしている。 セレンディクスは2022年3月に愛知県小牧市に国内初となる3Dプリント住宅のSerendix10m2モデルを建設、国内外のメディアにより紹介されるなど話題を集めた。
2025年3月21日 ビヨンド・ミートのグレイソン取締役が保有株の一部を売却
アメリカの代替肉メーカーでNASDAQ上場のビヨンド・ミートのチェルシー・グレイソン取締役が、自身が保有する同社株の一部を売却していたことがわかった。アメリカの株式投資メディアインベスティングプロの報道によると、グレイソン取締役はアメリカ現地時間の先週、自身が保有するビヨンド・ミートの株3,330株を一株3.29ドルの総額10,955ドル分売却した。売却後のグレイソン取締役が保有するビヨンド・ミートの株数は47,029株へ減少した。 ビヨンドミートは先日、2024年度第4四半期決算と2024年度通年の決算を発表した。それによると、ビヨンド・ミートの2024年度第4四半期の売上高は7670万ドル(約115億500万円)で、前年同期比で4%のプラスとなった。経常収支は4490万ドル(約67億3500万円)の赤字で、前年同期の1億5510万ドル(約232億6500万円)の赤字から大幅に改善した。 本記事執筆時点(2025年3月14日)で、NASDAQで取引されているビヨンド・ミートの株は一株3.39ドルで売買されている。 ビヨンド・ミートの株は、2020年10月9日に194.95ドルの高値を付けたが、その後右肩下がりで値を下げ続け、今日時点で98.26%マイナスとなっている。