3Dプリンター NEWS

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2025年12月1日 アイダホ大学の研究チームが廃木材を原料にした建設3Dプリントプロジェクトを開始
アイダホ大学の研究チームが、廃木材を原料にした建設3Dプリントプロジェクトを開始して話題になっている。アイダホ大学機械工学部准教授マイク・マーグハン氏率いる研究チームは、木材製品の製造過程で生じる廃木材を使った今後資材をベースにした建設3Dプリンティングプロジェクトを進めている。プリンティンバー(Printinber)と名付けられたプロジェクトは、米政府傘下の国立科学基金から400万ドル(約6億円)の資金提供を受けている。 プロジェクトチームは建設資材チーム、プリントチーム、パフォーマンスチーム、デザインチームの四つのサブチームに分かれ、それぞれ協業しながらプロジェクトを進めている。 プロジェクトチームは、廃木材を住宅建設資材にすることで、住宅コストの大幅な削減が可能になると期待している。 アイダホ大学(University of idaho)は、1889年設立の州立大学。アイダホ州モスコーに本部キャンパスを置き、学生数1万1534人を抱えている。本部キャンパスのほか、州北西部の主要都市コー・ダリーン、南西部の州都ボイシ、南部のツインフォールズ、南東部のアイダホフォールズにもキャンパスを置いている。
2025年11月30日 サンタバーバラの3Dプリント住宅開発プロジェクトが頓挫
米カリフォルニア州サンタバーバラの3Dプリント住宅開発プロジェクトが頓挫し、話題になっている。現地メディアの報道によると、頓挫したプロジェクトはサンタバーバラ郡が出資するサンタバーバラ郡住宅信託基金が支援していたもので、建設コストの上昇や建設3Dプリンター調達の失敗などにより、運営中止を余儀なくされたという。 公的資金が投じられた3Dプリント住宅開発プロジェクトが中止に追い込まれたのはアメリカ初のケースと見られている。サンタバーバラ郡住宅信託基金のジョン・ピーターソンCEOは、「非常に残念ですが、このプロジェクトを前進させることが出来なくなりました。プロジェクト自体はとてもエキサイティングなプロジェクトでしたが、いつか再開できることを願っています」とコメントしている。 プロジェクトでは当初、サンタバーバラ郡ゴリータに平屋建ての3Dプリント住宅を建設し、相場よりも低価格で販売する予定だった。 サンタバーバラは、カリフォルニア州南部に位置する人口8万8600人の観光都市。ロサンゼルスから車で2時間弱の距離にあり、風光明媚な海岸都市として知られている。セレブリティらが多く住む高級住宅地としても知られている。
2025年11月29日 セレンディクスが3Dプリント住宅デザインコンペを実施
日本初の3Dプリント住宅メーカーのセレンディクスが3Dプリント住宅デザインコンペを実施して話題になっている。同社初となる3Dプリント住宅デザインコンペ「令和版ハウス55開発プロジェクト」は、「50㎡の住宅を「車を買う価格」で実現するデザインを募集」するもので、建築系マッチングサービス「スタジオアンビルト」にて2025年12月14日まで応募を受け付けている。 なお、募集内容は以下の通りとなっている:
・50平方メートルの住宅を車を買う価格で安定供給できるデザイン
・夫婦2人世帯を想定した1階建て住宅
・3Dプリンターによるコンクリート造で、屋根まで一体成型が可能な構造
・日本が得意とする「そぎ落とした美学」を持つシンプルで美しいデザイン
セレンディクスの共同創業者の飯田國大氏は、「3Dプリンター住宅は、構造強度、耐火性、耐水性、断熱性の4つの機能面ですでに優位性を持っています。今回のコンペでは、5つ目の要素として『美しさ』の実現を目指します。約50年前の国家プロジェクト『ハウス55』の理念を受け継ぎ、車を買う価格で住宅を購入できる新しい未来の自由な社会の実現に向けて、皆様からの革新的なデザイン提案をお待ちしております」とコメントしている。
2025年11月28日 カナダ・ウィンザー大学が学生寮を建設3Dプリンターで建設
カナダ・オンタリオ州のウィンザー大学が、学生寮を建設3Dプリンターで建設しているとして話題になっている。カナダ現地メディアの報道によると、ウィンザー大学が建設しているのは7つの居室ユニットで構成される学生寮コンプレックス。同大学エンジニアリング学部の学生や研究者が入居する予定だという。学生寮の建設には、カナダ政府連邦経済開発局からの助成金200万カナダドル(約2億円)などが使われている。 ウィンザー大学のJJ・マクマートリー副学長は、「本プロジェクトは政府、大学、産業界が一つの目的実現のために以下に協業できるかを示しています。カナダ政府の援助を受け、建設3Dプリンターが以下に迅速かつ低コスト、そしてサステナブルに住宅を建設できるかを証明することができます」とコメントしている。 ウィンザー大学(University of Windsor)は1857年設立の、170年の歴史を持つカナダの公立大学。オンタリオ州ウィンザーに位置し、1万7520人の学生を抱えている。「学生を中心とした先進的な大学であり、コミュニティや移行する世界の課題が、私たちが提供する教育、研究、追求する創造的な努力に影響を与える」というビジョンのもとに運営されている。
2025年11月27日 ストラタシスの株価が8ドル台に下落
アメリカの大手3DプリンターメーカーでNASDAQ上場のストラタシスの株価が低迷している。2025年度第3四半期決算発表前に一株9.60台で取引されていたストラタシスの株価は、2025年度第3四半期決算の発表を受けて下落し、アメリカ現地時間の11月20日に8.20ドルまで下落した。その後やや持ち直し、本記事執筆時点の11月26日は8.64ドルまで戻している。 ストラタシスの株価は今年2025年10月20日に12.44ドルまで値上がりしたが、その後下落基調に転じ、一カ月間で34%下落した。2025年11月26日時点の同社の時価総額は7億3816万ドル(約1144億1480万円)となっている。ストラタシスの2025年度第3四半期決算では、売上高1億3700万ドル(約212億3500万円)で、前年同期比で2.1%のマイナスとなっている。GAAP(米国標準会計基準)ベースの営業収支は2270万ドル(約35億1850万円)の赤字で、前年同期の2550万ドル(約39億5250万円)から微減となった。経常収支は5560万ドル(約86億1800万円)の赤字だった。 ある株式市場関係者は、ストラタシスの直近の業績が赤字基調であり、今後劇的に回復する兆しが見えないとして投資家の売りを誘っているとコメントしている。 ストラタシスは2025年度通年の売上高を5億5000万ドル(約852億5000万円)から5億6000万ドル(約868億円)程度と見込んでいる。
2025年11月26日 新東工業株式会社がボッシュからセラミック部品受託製造事業を買収
名古屋市に本社を置く鋳造機械メーカーの新東工業株式会社が、ドイツのロバート・ボッシュからセラミック部品受託製造事業を買収していたことがわかった。新東工業のプレスリリースによると、新東工業はロバート・ボッシュの完全子会社で3Dプリンティングを専門とする受託製造事業者「Bosch Advanced Ceramics」(BAC)を買収し、子会社化した。 BACは、スパークプラグにまで遡るBoschの長年の専門知識を活用しており、2016年に企業内のイノベーション事業として設立された。高精度なセラミック部品の積層造形に特化し、プロトタイプから量産まで対応するカスタマイズ製造を提供している。 本買収により新東工業はセラミック製品づくりのグローバル展開を加速させるとともに、積層造形によるセラミックの受託製造事業を引き続き展開する新会社(Sinto Advanced Ceramics Europe)をドイツ国内に設立、2026年1月より事業を開始する。 今回の買収を契機に、日本・欧州・米国で社名も統一した中核となる製造会社を置き、グローバルな技術連携と先進的な製造技術の融合によるセラミック製品の新たな価値創造を通じて、セラミック事業を拡大してゆくとしている。新東工業は1934年設立の大手鋳造機械メーカー。日本国内はもとより、アメリカ、ヨーロッパ諸国などでも事業を展開している。
2025年11月25日 スリーディーシステムズの株価が1ドル台へ下落
アメリカの大手3Dプリンターメーカーでニューヨーク証券取引所上場のスリーディーシステムズの株価が、一時1ドル台へ下落した。アメリカ現地時間の2025年11月20日、一株2ドル台で取引されていたスリーディーシステムズの株は大量の売り注文を受けて下落し、一株1.87ドルまで値下がりした。その後株価は持ち直し、本記事執筆時点の2025年11月24日時点一株2.04ドルで取引されている。 スリーディーシステムズの株は、2021年2月12日に47.88ドルの高値を付けた後下落トレンドが始まり、2024年9月6日に1.88ドルまで値下がりした。その後同社の株価は2ドルから3ドル台で推移している。アメリカ現地時間の2025年11月4日火曜日に発表されたスリーディーシステムズの2025年度第3四半期決算では、売上高9120万ドル(約136億8000万円)で、前年同期比で19%の大幅なマイナスとなった。調整後EBITDA(利子、税、減価償却前利益)も1080万ドル(約16億2000万円)の赤字だった。同社が力を入れている再生医療における3Dプリンティング関連売上が低迷したことなどが全体の足を引っ張る形となった。
2025年11月24日 ナノ・ディメンションが2025年度第3四半期決算を発表
イスラエルのエレクトロニクス3DプリンターでNASDAQ上場のナノ・ディメンションが、2025年度第3四半期決算を発表した。同期間中の売上高は2690万ドル(約41億6950万円)で、前年同期比の1490万ドル(約23億950万円)から81%の大幅なプラスとなった。 営業収支は2950万ドル(約45億7250万円)の赤字で、前年動機の990万ドル(約15億3450万円)から大幅に増加した。調整後EBITDAも1660万ドル(約25億7300万円)の赤字だった。2025年9月30日時点の同社が保有する現金および現金相当資産の合計は5億1550万ドル(約799億円)で、前年9月30日時点の5億5100万ドル(約854億円)から減少した。 ナノ・ディメンションのデーヴィッド・ステーリンCEOは、「今年9月にCEOに就任して以来、私はナノ・ディメンションをスピードと規律、そしてより高い透明性をもって変革してきました。当期においてはオペレーティングコストの削減、顧客との関係性強化、売上ベースの拡大などを実現してきました。2025年度第4四半期に向けて、引き続き努力を続けてまいります」とコメントしている。 ナノ・ディメンションは、2025年度通年の売上高6710万ドル(約104億円)、営業収支9050万ドル(約140億2750万円)を、それぞれ見込んでいる。